「省美スタイル」

3月7日付 日本経済新聞23面「温暖化時代を語る」欄に掲載されていた、照明デザイナー石井幹子氏のインタビュー記事の紹介です。

(記事要約)
日本では工業化社会の進展に伴って、光の照度を上げてきた。その結果、人工衛星から見ると、世界中で日本列島が突出して明るいという。
温室効果ガスの削減を義務付けた、京都議定書が日本人の生活に与える影響として、日本人が本来持っていた豊かなライフスタイルへ回帰する良い機会。身体のリズムや四季を感じる生物としての感性を取り戻すきっかけになるのでは、と述べている。
一方で、技術革新による豊かさを否定しているわけではない。革新的な製品に囲まれた生活を送りながら、使い方で工夫するという、省エネ製品の普及というハード面と、人としての感性を大事にした使い方をするソフト面との組み合わせで議定書の目標達成は可能ではないか。
また、畳や布団といった日本の伝統的なものが世界中で流行している。これらは天然素材でできている。石油由来の化学製品に囲まれた生活が見直されている動きは、結果として温室効果ガスの排出削減につながる、と見ている。

こうした生活スタイルを「省美スタイル」として提唱している同氏は、「我慢」ではなく、科学技術の発展の享受とともに、感性に正直になることというバランスで、より豊かな生活が実現できるとまとめています。

日本が温暖化防止でリードできる部分のヒントかもしれません。